BMW 3SERIES F30 EXTERIOR PARTS

BMW 3 SERIES F30 エクステリアパーツ

BMWに特化した純国産チューニングブランド、エナジーモータースポーツ。これまでも幾多のBMWを手掛け、その類まれなるデザインセンスでシーンに活気をもたらしてくれた同ブランドがi8を手に入れた、という情報を耳にしたのは今年始めだった。という事は遂に青のエナジーがi8プロジェクトを始動させようとしているのは想像に難しくないわけだが、まずはその前にコレを見てくれ、と言わんばかりに登場したのがF30プロジェクトのフルコンプリートバージョン、EVO30.1だ。

同ブランドが魅力的な理由の一つに、デザインのオリジナリティとその実現力がある。デザイナーも兼任する代表が作り出すフォルムには国産コンストラクターが陥り易い、「機能性第一」という強迫観念的な思想が一切ない。そういった堅苦しい考え方からは生まれない、キャンパスとなるストックライン上に自由自在に描き込んだのが一目見て取れる奔放かつクルマに馴染んだ独創的なデザインだからこそ人々は魅了されるのだ。しかし、それだけ奔放であればあるほど、“言うは易く行うは難し”。FRPやカーボンと言ったマテリアルを組み合わせてこれだけ複雑な造形を組み立てるのはかなりの技術がいる。特に国産ブランドとしての製品の精密度、均一性は当然高いレベルを要求されるわけで、その点を当たり前のようにクリアしているのも特記すべきポイントと言える。もちろんそれはこのF30用も同様で、個体数の多いF30でこれまで以上の独創性溢れるフォルムを打ち出してきたのはその自らの製品性への自身の現れでもあるのだ。

さて、このF30とこれから開発に着手するというi8のランデブー。エナジーの最新デザインとなるF30、いやEVO30.1のイメージを未だストックのi8に重ね合せて創造力を働かせれば、彼らが近い将来生み出すであろうエナジー流の造形が見えてくるのではないだろうか。今のところはそうやって自らの脳内で楽しみつつ、その登場を待とうではないか。

TranSpeed 2015年7月号